2012年7月15日日曜日

【ついき秀学の未来への決断】オスプレイ 沖縄にこそ配備必要 (1/3ページ)

【ついき秀学の未来への決断】 
2012.7.13 より転載


--垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」の普天間基地配備に地元沖縄県などが強く反対しています

 モロッコと米フロリダ州で立て続けに墜落事故が起きました。普天間基地が街の真ん中にあるので、不安がる気持ちは分かります。しかし、そもそも海兵隊は機動力が求められる組織で、飛行場が整備されていない場所へも敏速に行動しなければなりません。

そのための効率的輸送手段が必要で、現在使用しているCH46輸送ヘリコプターが老朽化したので、新たな輸送機に置き換え強化を図ることにしたものです。オスプレイはCH46に比べて速度は2倍、輸送重量は3倍、行動半径は4倍(空中給油が1回必要)となり、海兵隊の機動力、即応能力は大きく向上します。

 大切なのは「何のために配備するのか」ということです。日米同盟に基づき、日本国民の生命と財産を守るためにほかなりません。「米軍基地が沖縄に集中しているのは差別の結果だ」といった論調がまかり通っていますが、それは間違っています。オスプレイ配備などの抑止力強化は、実は沖縄にとってこそ最も必要なのです。なぜなら、日本で今一番侵略されやすいのは沖縄だからです。

 --どうして沖縄なのですか

 尖閣諸島に関する中国の最新の発言を紹介しましょう。中国軍事科学学会副秘書長の羅援少将が7月2日、香港の解放軍系のテレビで「釣魚(尖閣)島を守るための六大戦略」と称してこんなことを言っています。

(1)釣魚島に行政区を設け、「中国台湾宜蘭県釣魚島鎮」とする(2)領域基線を法律で設定し、それを対外的に宣言する(3)釣魚島とその付近の海域を軍事演習区とする。必要な時には航空兵の射爆場とする(4)国家海岸警備隊を設立する(5)釣魚島企業開発集団を設立し、石油探査と漁業、旅行プロジェクトを担当する(6)発言権を奪い返すために世論の陣地を占領する-。

 行政区設置については、中国は6月21日、ベトナムやフィリピンなどと領有権を争っている南シナ海の西沙、中沙、南沙の3諸島を海南省の「三沙市」とすると発表しました。尖閣も今後、同様の事態が予想されます。しかも、問題は尖閣だけではなく、沖縄全体が狙われているということです。

 中国商務部研究院の唐淳風氏は「沖縄は日本の領土ではない」との妄説の主張者ですが、2010年9月19日の環球時報で「06年3月4日、琉球全市民の住民投票が行われ、75%が独立に1票を投じた。中国は琉球の独立を支援すべきだ」などと、まったく虚偽のとんでもないプロパガンダを展開しています。2年前の秋の反日デモでは「収回(奪還)琉球、解放沖縄」の横断幕が掲げられたのは、よく知られた事実です。最近では香港の新聞・雑誌に「中華民族琉球特別自治区援助準備委員会を設立」といった公告がよく載っています。

 ですから、万一、沖縄から米軍が撤退するようなことがあれば、それは中国に沖縄が併合されるときが来たことを意味します。例えば、中国が「琉球を返さなければ核ミサイルを撃つぞ」と日本を脅せば、米国も核戦争をしてまで米軍のいない沖縄を守る理由はないので日米同盟は機能せず、日本は中国の要求を飲まざるを得ません。

--そうした安全保障上の議論よりも、オスプレイは「危険だ、危険だ」という反対論一色です


 2件の墜落事故を根拠にオスプレイは危険だといわれていますが、海兵隊の航空機としては他の機種より重大事故率は低いのです。海兵隊航空機の10万飛行時間当たりの事故率は、平均2.45。これに対しオスプレイは1.93です。海上自衛隊では今年に入って哨戒ヘリコプターSH60Jが大小2件の事故を起こしていますが、「同機への配備反対運動が起きた」とは聞いていません。

 米国に対して、安全性確保のためいろいろ要求するのはもっともなことですが、だからといって配備を止めるというものではないでしょう。感情論を排して、沖縄の置かれた客観的情勢を知ってもらうことが大切だと思います。それなしに「危険だ。事故が起きたらどうするんだ」と叫んで他のことは一切顧みない発想は、脱原発論と同じです。こうした偏った論調を正すために、根気強く訴えていくつもりです。

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